JR西日本のさる事業所の43人が、社内放送で重大事故発生を知りながら、
ボウリングに興じ、その後、22人が事業所と同じ住所(同じビル?)で宴会を開いていたと
新聞・TV放送で非難されている。
これ以前にも、2人の現役運転手が福知山線転覆車に乗り合わせていて、
無事だったにも拘らず救援活動を行わず所属職場に出勤し通常の運転勤務を行っていた事や、
事故にあった2人から脱線転覆事故の報告を受けながら、
救援活動への従事を指示せず出勤を促した管理者の処置が、事故を起こした会社の社員として、
又、人間として恥ずべき行動だと新聞記事・TV放送で非難されている。
3件ともマスメディアによって掘り起こされた不祥事で、
JR西日本にとっては、不幸な出来事(?)だ。
私が、これ等の報道に乗じて、死者に鞭打つが如く彼らを非難する投稿をするのは、
極めてラクチンであり、その事で誰からも軽蔑され非難される恐れは無い。
が、メディアとは別の観点から彼らの行動を観てみたい。
そこで、川柳である。
「凡人が 並みの事して インタビュー」◎ 凡人とは、事故現場を離脱した2人の運転手であり、
報告を受けたが適切な指示をしなかった管理者であり、ボウリングや酒宴に興じた社員である。
そして、事故現場で、救援活動を行った日本スピンドル製造・尼崎市中央卸売市場の社員、
同じく救援活動を行った野次馬・近隣住民・軽傷者である。彼らは決して特別な人間ではない。
◎ 並みの事とは、先に記述した人達が”その時”取った行動である。
それぞれの人達が取った行動は、特別なものではない。
目の前に助けを求める人達がいたから救援活動をした。
事故報告をしたけれども即時出勤を促されたから現場を離脱した。
事故状況を軽く認識したから出勤を促し情報をそのままにした。
前から計画していたからボーリング・宴会に興じた。
◎ インタビューとは、注目を浴びたという意味である。
賢明なお方なら、既に私が言わんとする事をお察しと思う。私は凡人である。
多分、私も彼らと同じ状況に居たら、同じような行動をしていたと思う。
だからと言って、救援活動をした人達を過小評価したりは決してない。
むしろ、彼らの行動を絶賛したい。日本・日本人も捨てたものでないと嬉しくなる。
同時に、JR西日本の人達を簡単には許さない。情け無い。
厳しくその行動を責められるべきである。
ただ、私は、願わくば救助活動をした人達のグループに入りたいし、
JR西日本の社員でなかったことを幸いと思っている。これだけでは、進歩が無い。
自らの感性を磨き、万が一今回のような大事故に遭遇したときは、
非難された人達の行動を他山の石として真似しないようにしなければならないと思うし、
救助に従じた人達の行動を教えとして、
残り少ないわが人生を誇りあるものにしたいと思っている。
備考:2010/1/23 以前、別URL(閉鎖済み)で公開していたものを文章のみインポート、改行を一部変更して再公開。